ご無沙汰しております.1年以上ぶりです.
論文審査も無事終わり,3年間にわたる社会人と学生の両立にもピリオドを打てそうです.これまでの3年間を振り返り,社会人ドクターを考えている方にアウトプットを残しておこうと思います.
ただ,ドクターを目指そうとしている方は,すでに高い志をもち,自分の考えをお持ちの方だと思いますので,ほとんどの方には下記の内容は釈迦に説法,必要ないかと思います.そのような方は,ご自分の考え方との差をご確認いただき,コメントなどいただければ幸いです.
【0 私のスペック】
職業:某メディア系企業の技術系の社員.主に,社内システムの管理をしている.現在入社7年目(2010年4月で8年目).社会人ドクターを目指そうと思ったのは3年目.
勤務:勤務は多少のシフト制があり,休みも多少は自由にとれる.月10日くらい.でも休みは前の月までに申請が必要.出社は10時.退社は18時だけど,だいたい毎日20時まで残業.
給料:日本人平均よりは多少ながら多いといえる.
通勤:ドアtoドアで1時間.
修士時代:情報科学系学会(日本)に査読付のショートノート1編(英語),フルペーパー1編(日本語)があった.英語は文章をかろうじて書けるが,全くしゃべれない.
身の上:彼女が同棲(論文審査が通ったとほぼ同時に結婚した).車が1台.
所属したところ:修士時代と同じ研究室.ただ,現在住んでいるところとは遠隔地なので,授業はe-learning,年に3回ほどスクーリング.教授とは随時メールで連絡.
研究:画像処理,特に電子透かし.よって,以下の内容は特に,理系分野,情報科学系,とりわけ自宅で研究ができる人向けになるかもです.
【1 どんな方にお勧めするか】
社会人ドクターを目指そう,と考えている方が,おそらく,このブログを読んでいるのでしょう.おそらくその方達は,自己研鑽,自己啓発,自分をもっと高めたいーーーという前に,多くの方は仕事や自分,現状に多少なりとも不満や不安を抱えている人,だと思います.自分は社長で,時間もお金も余裕あるから,ハクをつけるために…というひとは少ないと思います.「自分,このままでいいのか?」という,ある種の焦りから,検索エンジンに「社会人 ドクター 自己啓発 不安」などと入力して,このページにきているのではないかと思います.
ここは一度,冷静になって考えてみます.社会人ドクターのみならず,自己啓発には「余裕」が必要ではないでしょうか.お金と時間と体力の余裕です.この中で,お金はとても現実的なので,直感的に余裕があるどうかは,自ら少し考えればわかるでしょう.またお金は,余裕がない方でも,様々な解決方法があるので,ここではあまり触れません.
問題は時間と体力です.これらは,自ら生み出さなければ,どうしようもならないんです.例えば,社会人ドクターの生活をシミュレーションしてみます.
Case 1. 今日は月曜日.朝6時に起きて,8時半まで研究.30分で支度して,9時に出勤.電車の中で無理矢理座席を見つけて1時間プログラミング.出社後,メールを50通処理して,午後はずっと会議.18時に自席に戻り,またメールや電話の対応,雑務をこなして,20時半に退社.電車は座れないので脳内研究.21時半に帰宅して,ご飯食べて,1時間くらいパソコンに向かい,24時半に就寝.
Case 2. 今日は休み.朝7時に起きて,夕方までずっと研究.彼女には「3年間はあまり遊べない」といってあるけど,多少は気を使いながら,終日過ごす.晩ご飯はやっと,少しは休日気分.たまに終日,大学図書館へ行って,論文の山と戦う.
これは私の場合ですが,自分の空いている時間は,ほぼすべて研究にあてました.これを3年間続けます.もし,仕事が激務で,このような時間が取れない場合,また,「会社以外では頭を使いたくない」「もっと遊びたい」と思う方はやめた方がいいかもしれません.また,周辺の大事な人,家族,配偶者,恋人の理解も必要です.全く理解してくれない場合もやめた方がいいでしょう.
どのくらいの時間が必要か,ということについて補足します.
3年間の目標(博士論文を大学院に提出できる資格を得るために必要な,雑誌に掲載された論文数)は,(所属大学院によりますが)フルペーパー2編,あるいはフルペーパー1編+査読付のショートノート/国際学会を複数編です.おそらく皆さんは,修士で研究をしていると思いますので,どのくらいのボリュームの作業量になるかが推測できるかと思います.私は1年目で研究が固まり,2年目で投稿論文執筆+大学院指定のe-learning,3年目で雑誌掲載+博士論文執筆/審査,という流れでした.
ここで,ポイントをまとめます.
- フルペーパー2本を完成させるに必要な体力はあるか
- 上記に必要な時間を,3年間の間に,今の自分の環境から生成できるか
- 大事な人の理解はあるか
以上のポイントをクリアしつつ,それでも自分の現状と戦いたい,という方にはお勧めできるかと思います.
また,繰り返しになりますが,博士課程においては,アウトプット=雑誌に論文が採録されることが非常に重要です.これが修了の要件となるからです.大学院を検討する前に,雑誌に採録されるような新規性,発展性のあるようなネタが2つ程度,ある程度イメージできていることが必要です.入学前に,教授や専門家に意見を求めながら検討されることが大事です.
【2 大学院の選び方】
まず,どんな研究をやりたいか,を考えます.修士の研究の延長が効率的にはいいと思われます.研究室選びも同様,修士と同じ研究室がいい思います.先生方も自分の状況を理解してくれやすいでしょう.一方,修士とは別な大学院,研究をする場合は,あらかじめ担当教官にアポを取り,相談に行くべきでしょう.
修士時代の大学院に戻るにせよ,新しい大学院に行くにせよ,社会人の場合は「社会人特別選抜」などといった,社会人対応の博士後期課程を募集している大学院が理想です.このような大学院にはe-learningといった,社会人でも通いやすい仕組みが整っているはずです.もしこのような制度が無いとしても,教授はじめスタッフの皆さんの理解が得られれば問題ないでしょう.
また,「博士」の学位そのものの「格」にこだわる方は,World University Rankingなどの,世界的にどのくらいの位置にある大学かを確認してみるのもいいかもしれません.本当に時間やお金に余裕がある,会社も理解があるような環境にあるような方であれば,海外にチャレンジするのもやぶさかではないと思います.
【3 入試】
社会人特別選抜の試験と,通常の修士→博士入試とは試験が異なる場合が多いので,注意が必要です.私の場合は,社会人向けの試験は英語+面接でした.通常の試験は英語+専門分野(数学,物理など)+面接,だったようですので,多少は通常よりは楽になる場合は多いようです.事前に確認が必要です.
英語は,その研究室の分野に関わる論文から,主に英文和訳の問題が出ました.また,面接では,
- 修士時代の研究について
- これから3年間の研究内容(=現時点で持っているネタ)
- 研究計画
について主にプレゼンし,その後,質疑応答がありました.今の仕事と研究内容のかかわり合いや,研究内容について詳しく聞かれました.
【4 入学準備〜入学】
試験がとおれば,入学手続きです.入学金は国公立だと25万弱,私立だともっとでしょう.初年度前期は入学金+前期授業料が必要ですので,その分の現金を用意しておく必要があります.ボーナスなどをやりくりして準備します.
入学と同時に,研究に必要なものも準備しなければなりません.ノートパソコンが無い方は,研究に必要十分なノートパソコンを購入することをお勧めします.これから,どこにいても暇さえあれば,プログラミング,論文執筆をこなさなければならない方にとっては必須アイテムです.研究により,パソコンのスペックは様々ですが,特にCGの研究をやる方,計算量が多いプログラミングが必要な方は高性能なものが必要でしょう.私からはMacをお勧めします.TeXの環境もそろってますし,基本はUNIXですので,研究の環境も構築しやすいです.
また,会社には一言伝えておいた方がいいかもしれません.会社の中にはそのような活動を喜ばない人もいたりしますので,もしそのような雰囲気であっても,一番近い上司くらいには一言いっておいた方がいいでしょう.
入学後,まずはじめにやるべきことは,関係する学会への入会でしょう.いわば,論文の投稿先です.国内,国外の有名どころを1つずつ入会すればいいかと思います.論文誌にはインパクトファクターという,影響力をはかる指標があります.大学の図書館などで調べられるかと思いますので,それも参考にして選んでください.
【5 1年目】
まず,研究に戻るリハビリもかねて,関係分野の論文を読みこみましょう.最近のものから順にたどり,関係分野の最近の動向を探ります.下記の観点で進めていくのがいいかと思います.
- 自分のやりたいことが,他ですでにやられていないか
- 自分が入り込める隙間はどこか/従来手法の弱点はどこか
- 自分のやりたいことが,いわゆる「トンデモ研究(=人に理解されない研究)」になってないか
論文が通るには,やはり他の研究者に認められるというのは当然ですが,従来手法より有利な点/新しい点がある研究でなければなりません.動向を把握して「自分の研究の強み」を確認する作業が必要でしょう.これが2〜3ヶ月くらい.
特に,この作業は慎重に進めてください.不完全な部分があれば,論文が通らず,多くの時間を無駄にします.「これは論文に載せてもらえるだろう」と自信が持てるまで考え抜くことが大事だと思います.
論文は,ご自分の所属大学院の図書館で探すのがおすすめです.オンラインで幅広い学会から論文が検索/ダウンロードできるような仕組みが整っているかと思います.一方で,遠隔地の大学院に所属している場合は,お近くの,研究分野に近い大学を探して,その図書館に行ってみるといいかと思います.私は,東京工業大学がありましたので,そこによく通っていました.東京工大は,たくさんの論文がそろっていますし,外部の研究者でも,有料ではありますがオンラインでの論文検索もできます.
自分の研究の立ち位置が確認できたら,まずは,投稿を予定している学会の,論文定型フォーマットでとりあえず論文を書いてみます.これは投稿する目的ではなく,これからの作業の目標を作るための作業です.自分の考えに論理的に間違いは無いか,あるいは従来手法に比べて優位な点や新しい点を説明できるかを確認できます.スムーズに書けないようであれば,自分の論理に問題がありそうですので,確認してみるといいでしょう.これが1ヶ月くらい.
その作業が終わると,この論文(以下,先書論文といいます)をもとに実験をします.研究にもよりますが,私の場合は実験=プログラミングです.先書論文中に書いた実験結果が得られるようなプログラムを作成します.
# 実験結果をねつ造する,ということではありません.念のため.
ご自分が納得される結果が得られるまで半年〜1年程度はかかると思います.また,実験中に,先書論文の論理展開の問題点や,説明に補足が必要な部分が出てきた場合は,先書論文を修正しつつ,実験を進めていきます.
【6 2年目】
実験での実データの解析が終わり,先書論文にその実験結果をのせれば,ほぼ提出できる形になっているかと思います.校閲まで終了したら,学会に投稿します.
ここで,大学院の修了要件によっては英語で論文を執筆しなければならない場合があります.インパクトファクターいくつ以上,
# インパクトファクターについては,国内の学会(日本語の雑誌)には,ほとんどついていません
海外の学会での論文採録何本,などとなっている場合は,国内の学会では要件を充たしませんので,注意が必要です.あるいは,大学院に提出する博士論文が英語必須となっている場合も,英語で書いておくことが得策でしょう.
投稿に際しては,「小特集号」を狙うのがいいかと思います.一般で投稿するより比較的掲載されやすいとされます.おそらく,小特集号は「○月号に載せる」と決まっているので,査読の締め切りも急がされるようで,審査も多少は甘くなる?のではないか,と勝手な推測ですが...
投稿はマルチポスト(同じ内容のものを複数の学会に同時に投稿)は禁止ですので,一つの学会に投稿したら,その論文に関しては査読結果が返ってくるまでは黙って待っているしかありません.査読には3ヶ月〜半年かかりますので,その間に次のネタを考えましょう.1本目のネタをもとに,さらに内容を発展させ,次の査読が返ってくる頃にはもう一本...という流れで論文を増産していきます.
論文の査読に関しては,内容についてはいうまでもないことですが,運というか,タイミングというか,ある程度の不確定要素もありますので,臆すること無く,複数の学会に対して,別な内容の論文を,ある程度の本数,出していくことも大事になってきます.
春に投稿すると,夏頃には査読結果が返ってきます.一発で採録ということはほとんどなく,不採録か,採録の条件とともに結果が戻ってくる,条件付き採録となります.
不幸にも不採録の場合は,自分では気づかなかった,決定的な問題がある場合が多いので,時間のない社会人ドクターには大きなタイムロスになります.この場合は,ショックをある程度受けたら,査読結果をもとに,根本的な手法の見直しにすぐさま着手します.
また,条件付き採録の場合は,実験の追加や論理の補足について要求がありますので,それらに真摯に(決して反論することなく)対応し,再投稿すれば採録されるでしょう.
# 私は条件付き採録でも,再投稿で不採録になったことがあり,甘く扱うと痛い目を見ることもあるようです
何本か論文を投稿して落ち着いたら,研究の合間に大学院の単位を取る作業に入ります.これは,所属の大学院にもよりますが,私の場合はe-learningの授業を受けた後,レポートを提出し,合計8単位(4講義)をとる必要がありました.講義の動画を横目でみながら,研究を進めていく,大事なところだけメモして,レポート完成,というある意味「ながら勉強」で対応しました.
# サーバー側には実際の動画閲覧時間が残るため,ごまかしが効かないことが多いと思います
また,2年目には学会にもいくつか出席します.国内,できれば海外の学会で代表的なものに4回程度出て,発表しておきます.大学院の側から要件(査読あり,海外...)があればその要件に従います.国内でよければ,研究会のような,発表する報告(ドキュメント/プレゼン)のボリュームが大きい方が,博士論文を書くのに便利です.
【7 3年目前半】
この辺りは,基本的には2年目と同じです.
ネタの検討→先書論文書き→実験→論文提出→査読結果反映→採録
ネタの検討→...
(たまに学会,e-learning…)
を繰り返して,うまく行けば,3年目の夏頃には修了要件を満たせるはずです.少なくとも8月頃までには満たしている必要があります.
【8 3年目後半】
一番面倒で,緊張する時期を迎えます.
要件を満たしていれば,担当教官から,博士論文の執筆を要求されます.第1版の締め切りは12月終わり〜1月頭と考えておいていいかと思います.実質,3ヶ月程度で100ページ以上の原稿を仕上げなければなりません.
しかし,ここまでの手順を踏んできていれば,そんなに手間はかかりません.
まず,研究室の先輩から博士論文の提出フォーマットをもらいます.このフォーマットに,現在自分が手元にある原稿で,実績としてカウントできるものをコピペします.
# 手元にある原稿というのは,(研究テーマが修士と同じであれば)修士論文,採録された論文,学会で発表した論文などをさします.
これらが十分な数であれば,コピペでおそらく8割は埋まるのではないかと思います.
あとはひたすら体裁と文章を直していきます.まえがき/あとがきから始まり,謝辞,参考文献の整理,論文全体のつながり,誤字脱字...何十回ものチェックを隙間の時間で繰り返し,第1版を仕上げます.声に出して読んでみると,文章の質がよくわかります.お勧めします.
また,大量の書類(履歴書,論文目録,論文のサマリー...)が大学院側から要求されますので,これらも締め切りに注意しながら作成してきます.
1月に入ると,私の場合は,第1版を主査1人+副査2人の3人分(3冊)を,フェデックス・キンコーズで簡易製版し,配りました.その後1月中旬に,主査・副査3人と私の4人での,論文口頭試問が実施されます.30分のプレゼンの後,30分間にわたる質疑応答が始まります.ここまで来ているということは,論文の学術的な内容は,学会により担保されているとみなされているようで,その論文自体の根本的な内容よりはむしろ,プレゼンの論理構成について突っ込みが入りました.私の場合は,従来手法との比較をもっとわかりやすく,定量的な比較をもっとするべきだ,と指摘されました.
口頭試問の内容を論文に反映させて,第2版を作成し,もう一度提出します.また,プレゼンにも口頭試問の内容を反映させておきます.
そして2月の頭に,最後の砦である,公聴会が開かれました.論文審査委員が全員出席します.私の場合は委員の数が10人程度,また同じ研究室から学生さんが20人程度応援に来てくれました.
この公聴会は,自分の専門外の先生も来るので,「そもそも〜っていうのは何?」という基本的なレベルでの質問が来ます.また「僕の分野ではこれは○○に使われてるんだけど,この応用について聞かせて」というような,自分の使っている手法や数式が他の分野でどのように使われているか,ということについても押さえておくといいかもしれません.
さらに,社会人の場合は仕事と研究の関係や,ビジネス展開を含めたような質問もされるかもしれません.なお,時間配分的には先に行われた口頭試問と同じです.
発表,質疑が行われた後,論文審査委員会が開催され,投票により可・不可が判定されるようです.
噂によると,口頭試問や公聴会で不可が出るようなことはよっぽどなことがない限り,ないと思っていてよく,イベント的なものだ,とのことがよく言われますが,質問に答えられないとかなり...恥ずかしい...ので,それなりに論理武装は必要と考えます.
私の場合は,公聴会ですべての日程が終わり,あとは教授や学校側の手続きとなります.最終的な会議で学位を授与できるか否かが判定され,連絡があります.
あとは学位授与式に出席して,すべて終了です.
【9 まとめ】
私の会社の場合,博士の学位を取得しても(正式には学位授与されてませんが),何かがある訳ではありませんでした.多少は技術的なことや特殊なことをを聞かれる様になったくらいです.
一方で自分の意識は変わりつつあります.おそらく,(少々いやらしい話をすると)こうやってアウトプットしても,「博士」が書いたと言うと説得力が増すと思うんです.私を含め,半分位の人は,博士と言われると説得力を感じるのではないでしょうか.せっかくですから,今後はたくさんのアウトプットに努めていこう,と意識するようになりました.
うまく時間を使えるようになったのも大きな収穫かもしれません.隙間時間の使い方,仕事前,仕事後の使い方など.仕事の仕方もそうです.時間を作るために,常に効率化を考えた結果,現在では大きな残業をせずに帰宅できるようになりました.
この3年間の自分への投資は,仕事にはすぐに直結するものではありません.すぐにお金を生み出すこともありません.ただ,大きく自分の意識を変えることになるのは確かです.また,自分の周りにいる人たちをも変えうるインパクトがあります.少しでもお金や時間に余裕を感じている方,様々な自己投資がありますが,私は社会人ドクターを薦めます.
【10 Q&A】
Q1: 博士って何できるの?
A1:べつに何ができるって訳ではありません.対外的にはちょっと周りの見方が変わるくらいです.合コンも少しは有利になるでしょう.もとい,まじめに答えると,なんかの文章で読みましたが,修士は問題を解決する力がある,博士は問題を発見できる力があると言われるようです.修士は,ある問題に対して,解決ができる能力がある,博士はそれに加え,自分で問題を見つけ,それを改善できる能力がある,とみなしてもらいたいものです.
Q2: 論文博士?課程博士?
A2: 私の場合は課程博士になります.その別についてはgoogle先生にお任せしますが,論文博士はそろそろ制度がなくなってしまうということです.
Q3: アイデアが浮かばない.論文が書けない.
A3: 新しいことを想像する必要はなく,論文を読み込んで,問題を見つけることができればそれが論文になるんだと思っています.
Q4: 転職に有利になる?
A4: 今のところ転職は考えてませんが,googleなんかは博士優遇と聞いたことはあります.私の場合,英語ができないのであきらめます.
Q5: 結婚してるけどできる?
A5: ご家族の理解を得ましょう.無理に先走ると,配偶者がノイローゼになる可能性もあります.全然遊んであげられないので.
ありがとうございました.